恒例の建築巡礼、沖縄ツアーの宿泊は最も沖縄らしいホテルを選定しました。
年中温暖で心地よい海風が吹き、 碧い海と白い砂浜、 原色の草花と濃い木々の緑あふれるといった沖縄の気候風土や文化を活かしたこのホテルは、恩納村の特定公園の一画、かつては地元で「月の浜」、戦後米軍からは「ムーンビーチ」と呼ばれる地に建設されました。
客室300室を超える大きなホテルですが建物の高さは4階に抑え、景観を壊すことの無いよう自然の地形にあわせて配置されています。建物は、セットバック、文節、雁行 などを多用し、テラスや廊下、エントランスホールを含むピロティは半屋外で、 4階吹き抜 けのトップライトからは光や雨も降り注ぐ構造になっています。各階の廊下からはポトスなどの観葉植物が垂れ下がり、エキゾチックでトロピカルな雰囲気を醸し出しています。そしてこれらの空間は、地域とビーチを結ぶ重要な触媒にもなっているのです。
もう一つ特筆すべきは40年を超える古い建築であるにもかかわらず、ほとんどオリジナルのまま、丁寧な手入れとリノベーションで維持されていることです。新しいホテルでは味わうことのできない時間をも取り込んだデザインは、これからも本土や海外から訪れる人々、そして地元、沖縄の人々にも愛され続けるに違いありません。
ホテルムーンビーチ(現:ザ・ムーンビーチ ミュージアムリゾート)
設計 國場 幸房(國建)
建築家:交久瀬常浩
(2019年1月発行・IFA住宅設計室通信vol.69 沖縄建築研究会レポート・建築家エッセイより)
12月のホテルムーンビーチ。日中の建築巡りで力尽きたのか…夜の写真しか残っていませんでした。自然光が降り注ぐ雰囲気、素材の設え、客室。居心地が良く、大変素敵な宿泊体験をすることができました。(アシスタント中井)