シカゴのダウンタウンから南西に約 96 kmの田園地帯。
20 世紀の巨匠ミース・ファンデルローエが最後に建てた住宅を訪れました。
森の中を歩いていくと、川のほとりに確かな存在感で佇んでいます。
大きなガラスで覆われたこの住宅は、8 本の鉄骨柱が床・ポーチ・屋根を支え、最小限の壁とガラスで構成されています。
中央部に水周りを含む木製のコア部分をもち、その周りにオフィス、ダイニング、リビング、寝室スペースを配した、間仕切りのないワンルーム空間。
その内部に身をおくと、大きなガラス面の効果で暮らす人と周囲の自然を結びつけ、まるで自然そのものの中に身をおいているように感じられました。
ファンズワース邸はその規模の小ささゆえに、ミースの建築思想が最も純粋に表現された建物ともいわれています。
“Less is more. /より少ないことはより豊かなこと” 。
“God is in the details. /神は細部に宿る”。
美と機能を追求し続けたディテールの集結が、この際立った美を作り出しているということを身をもって体感できました。
IFA建築研究会・アメリカ海外研修| Day7-in Chicagoより