STORY 家づくりストーリー

家族とともに家が育ち、家が家族のカタチをつくる

建築家:向阪一郎 | 土地を探して注文住宅を建てる

「家は生活が営まれることで完成する」と言われます。
定期点検を機に、10年ぶりに訪問したS様邸は、まさにその言葉を体現していました。
ご家族の家への深い愛情と日々の丁寧な暮らしに、まるで家が応えたかのように、味わいを増した空間が広がっていたのです。

「多くの方にこの10年目の邸宅を見ていただきたい」

そう感じた私たちは、ご家族にインタビューをお願いしました。
今回は、その想いに快く応えてくださったS様ご家族に、家づくりストーリーと10年間の日々を伺いました。

STORY 01

IFAとの出会い

家族がつながる家をつくりたい

家族の絆をもっと深めていきたい。そして、子どもたちに楽しい思い出をたくさん作ってあげたい。
そんな想いから家づくりを思い立ったと、S様ご夫婦は話します。

IFAと出会うきっかけになったのは、奥様のご友人から手渡されたチラシ広告。
「建築家とつくる家」のコンセプトに興味を持ち、IFAギャラリーを訪れたといいます。

「空間に足を踏み入れた瞬間、その雰囲気に心惹かれました。
『こんな家をつくりたい』と感じるとともに、『ここなら私たちの理想を叶えてくれる』とピンときたんです。
そういう直感って、結構当たりますよね(笑)。
スタッフの皆さんの人柄も温かく、土地探しから家づくりまでお願いできるというのも大きな魅力でした。」

当時から、家を「つくりたい」と話していた奥様。
「家は買うものではなく、つくるもの」という私たちの想いと重なったことも、直感が働いた理由だったのかもしれません。

STORY 02

プランニング

「最強の資料」が示す理想の家

家づくりに際して、ご夫婦がIFAプロデューサー・谷口に手渡してくださったのは、ご要望をまとめたパワーポイントの資料。
そこには、家族紹介をはじめ、家づくりのテーマ、各空間へのご要望など、S様が考える理想の家の全貌が、イメージ写真を交えてしっかりと描かれていました。

この資料を10年経った今も「最強の資料」と評するのが、S様邸を担当した建築家の向阪先生。

「家づくりの最初の段階で、思い描いている理想を言葉にするのは難しいもの。
ですが、S様は『年数が経てば経つほど、味が出る家がいい』と、自身の理想を具体的に表現されていました。
本来、私たちがお客様とのヒアリングを通して、理想の家に対する想いやニーズを引き出し、カタチにしていくのですが、
すでにご夫婦間でそれができていたんです。家づくりへの並々ならぬ想いを感じましたね」

谷口はその言葉にうなずきながら、「私の仕事がなくなってしまうのではないかと、ドキドキしました」 と笑います。

一方、奥様は、「最初に提示されたプランを見た瞬間、すべてをお任せしていいんだと確信しました」と当時を振り返ります。

STORY 03

ご夫婦のリクエスト①

ライブラリーとシアターを備えた、階段の踊り場にある玄関

S様邸が建つ敷地の前面道路は傾斜の強い坂道で、車の乗り入れが可能な接道面も限られていました。
向阪先生はこの特徴的な敷地条件を読み解き、接道面に合わせて駐車場を設けるとともに、
玄関を1.5階に配置するというプランを導き出したのです。

その結果、この邸宅にはユニークな玄関が誕生。
斜面から続く階段を上り、玄関の扉を開ければ、その先にもまた2階LDKに続く階段が広がっているのです。
まるで階段の踊り場に玄関があるような不思議な感覚が、訪れる人をワクワクさせてくれます。

この玄関スペースには、心躍る仕掛けが散りばめられています。
段差を利用して設けた本棚は、奥様の要望をカタチにしたもの。
また階段はただ上り下りするだけのものではなく、読書をするときには、ゆったりと腰掛けるベンチにもなるのです。
さらに玄関の白い壁は、映像を映し出すスクリーンに。

「白い壁を見た向阪先生の『アートな空間にできそう』というつぶやきを聞き、プロジェクターを取りつけることを思いつきました。
この玄関は我が家の映画館でもあるんです」と楽しそうに話すご主人様。

お子様が小さかった頃は、子どもたちが映画館のスタッフになりきって、手作りのチケットをもぎとってくれたのだそう。
家族での「映画館ごっこ」、とても素敵ですね。

STORY 04

ご夫婦のリクエスト②

家族がつながるワンルームのLDK

家族のつながりを大切に考えていたご夫婦が希望したのは、ワンルームのLDK。
このリクエストに対し、向阪先生は、単なる間仕切りのないオープンな空間にするだけではなく、眺望の期待できる2階にLDKを配置。

さらに、縁側のような外部空間「広縁」を中心に据え、隣家からの視線が気にならないよう配慮しながら、
キッチン・ダイニング、リビング、ワークスペースを一つにつなげました。
そうすることで、2階ではどのスペースにいても、窓越しに家族の姿が見え、いつもその気配が感じられます。

開口部からは、広縁によって切り取られた空の表情を愛でることができ、リビング西側の窓からは、大阪平野を見渡せます。

敷地を訪れ、「きっとここから良い景色が見える」と予想し、窓を計画していた向阪先生。
家の骨組みが完成する棟上げ後、S様ご夫婦、現場監督と実際の素晴らしい眺望を確認。西日を考慮しながら、高さや開口の大きさを調整しました。

「リビングからは夕日がきれいに見えるので、『今日の夕日は何色かな』なんて話しながら、家族みんなで空を眺めています」と奥様。

窓のバランス、光の入り方、そして空や風景の切り取り方まで緻密に計算された空間設計。
それが、家族をつなげ、日々の暮らしにかけがえのないひとときを生み出しています。

STORY 05

建築家の哲学

親がどんな家をつくるか、それが子どもの感性を育む
  • お子様が描かれた絵を飾るリビング
  • 勉強スペースにもなるダイニングテーブル

1階には、家族の個室を設けましたが、ご家族はみんなリビングで過ごすことがほとんどなのだそう。
「長女はテスト前に少し部屋にこもるぐらいでしょうか。
長男にいたっては、自分の部屋に行くことはほとんどなく、部屋は荷物置き場になっていますね(笑)。
宿題をするのもリビングです」

これを聞いた向阪先生は、「うれしいですね。自然と人が集まるのは、リビングが心地よい証ですから」と微笑みます。

「実は私自身、家は子どもの人間性に大きな影響を及ぼす場所だと考えています。
自分の居場所が家族の集まるリビングなのか、個室なのか、それによって育まれる感性や想像力は変わります。
親がどんな家を建てるか、リビングや個室にどのような役割を与えるかは、とても大事なことなんです」

S様邸のリビングには、建築家の哲学が静かに息づいています。

STORY 06

この家での暮らし

コロナ禍で感じた家の真価

10年間の中でも、この邸宅の居心地の良さを最も実感できたのが、コロナ禍の日々だそう。
奥様は、「自宅が最高の遊び場になりました」と、当時の写真を見せてくださいました。
そこには、広縁でBBQやプールをしたり、家の中で「夏祭り」をしたりと、笑顔いっぱいで過ごすご家族の姿がありました。

「みんな家での時間を楽しんでいましたね。でもおうち時間を満喫できたのは、この家だったからなんです」と奥様。

今でも子どもたちは、家にいることが多いのだとか。
「私たちもできることならずっと家にいたいと思っています」とご夫婦は、顔を見合わせて思わず苦笑いされていました。

STORY 07

IFAとの家づくり

建築家ならではの工夫がもたらすオリジナリティ

2階のLDK空間でひときわ目を引くのが、屋根勾配に沿って連なる米松の梁。
邸宅を訪れた私たちも、年月を刻み、さらに存在感を増した木の美しさに思わずため息がこぼれます。

この梁に加え、奥様のもう一つのお気に入りは、造作と既製品を組み合わせてつくりあげた家具や設備の数々。

「この家の収納や設備は、既製品を活用してつくってもらいましたが、こんなにもオリジナリティあふれるものができるというのは驚きでした。しかも既製品を組み合わせることで、費用も抑えられたんです」

実はS様邸のキッチン収納と玄関収納は、同じ既製の収納家具が使用されているのだそう。そこに向阪先生の設計力が加わり、S様が使いやすいよう様々な機能を備えた造作家具としてカタチになっています。

既製品を造作に組み合わせる時、鍵となるのは「バランスとディティール」 だと話す向阪先生。
設計で一手間、二手間かけても、既製品をはじめとした世の中に流通している建材の長所を活用し、空間に美しく馴染むようどのように上手く魅せるか・・・建築家のディテールへのこだわりもまた邸宅に独自の味わいをもたらしています。

STORY 08

これから家づくりをされる方へ

理想の家を叶える秘訣は夫婦の対話

「とにかくやりたいことをとことんやって、楽しんでほしいです」と力強く語るS様ご夫婦。
そのために大切なのは、夫婦でとことん話し合うことだといいます。

家づくりを始める際に、お二人はとにかく時間をかけ、「どんな家にしたいか」を話し合ったそう。
どちらかが「こうしたい」と言えば、なぜそうしたいのかを徹底的に深堀りする。
時には、過去にまでさかのぼり、子どもの頃どんな環境でご飯を食べていたのかなど、互いの育った環境を振り返り、「やりたいこと」の根源にある想いを明確にしていったと、ご夫婦は話します。

お二人のこうした丁寧な対話こそが、S様邸を創造するプロセスの核になったことは間違いありません。

STORY 09

10年目の答え合わせ

理想の家はたった一度で建てられる
  • 引渡し直後、竣工写真撮影時。
  • 今回の取材時。

今回インタビューに訪れた向阪先生は、あの「最強の資料」をお持ちし、ご夫婦にお見せしました。
「まだ持っていたんですか!すごく恥ずかしいです」と慌てる奥様のそばで、
「イメージ通りの家ができているか、答え合わせをしましょうか」と笑う谷口。
資料を見終えた後、当時ご夫婦が思い描いていた理想が叶えられたのか、伺ってみました。

「10年住んでみて、『こうすればよかった』というのは本当にないですね。
しいて言うなら、ダイニング テーブルのコンセントの位置ぐらいかな」とご主人様は笑います。

「『3回家づくりをしてはじめて理想の家が建てられる』なんて言いますが、私たちは1回でできました。
IFAギャラリーでの直感はやはり当たっていましたね」と奥様もにっこり。

お二人の言葉は、私たちの胸に深く、温かく染み渡り、これ以上ないほどの大きな喜びをもたらしてくれました。
ご家族の皆様、この度はインタビューにご協力いただき、本当にありがとうございました。

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