金沢建築ツアーにおいて、同じような関心を抱いた2つの建築がありました。
谷口吉生設計の鈴木大拙館(2011) と 池原義郎設計の浅蔵五十吉美術館 (1993) です。
いずれも展示空間はシンプルなつくりながらも、建物を取り巻く環境とともに 設計された建築でした。周りの緑を借景とし、また人工的につくられた池は建物へ導く静謐な空間となっています。 建物のみでは成立しない建築空間です。
旅をしながらそれらの建築を結びつける空間に気づきました。
庭園内を巡りながら楽しむことのできる金沢市内の兼六園です。
園内に植えられた多くの樹木によって町なかにありながら自然の中にいるかのようです。池を取り入れた回遊式庭園が空間に奥行きを与え魅力的な散策路をつくります。環境を取り入れる空間構成は先の2つの建築に通じるものがあります。
建築を設計するにあたっては、建物そのものだけでなく環境を含めて設計することの大切さを教えてくれます。住まいにおける外部空間もまた然りです。
建築家:真島元之
(2017年1月発行・IFA住宅設計室通信 金沢建築研究会レポート・建築家エッセイより)
鈴木大拙館(2011)|設計:谷口吉生
浅蔵五十吉美術館 (1993)|設計:池原義郎
兼六園